2025年度の支部長を務めることになりました九州電力の福井でございます。支部長就任にあたり、一言、ご挨拶申し上げます。
日本原子力学会は、東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故(以下、1F事故)を踏まえ、「公衆の安全をすべてに優先させて、原子力および放射線の平和利用に関する学術および技術の進歩をはかり、その成果の活用と普及を進め、もって環境の保全と社会の発展に寄与すること」を目的に掲げ、様々な活動を推進しています。。
また、九州支部では、今年度も原子力の学術および技術の進歩を目指した研究発表講演会、原子力および放射線に対してまずは興味を持って頂き理解へと繋げるオープンスクールや講演会などの活動を企画しております。詳細については、九州支部のホームページに案内しておりますので、是非ご確認いただければと思います。
さて、原子力を取り巻く最近の国内情勢を見てみますと、ご承知のとおり、今年2月に「第7次エネルギー基本計画」が閣議決定され、その中で、「1F事故への真摯な反省は、決して忘れてはならない。原子力の活用にあたっては、安全性の確保が大前提」としつつも、「再生可能エネルギー、原子力などエネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用することが必要不可欠」であり、「DXやGXの進展等により増加が見込まれる電力需要、特に製造業のGX、定格稼働するデータセンターや半導体工場等の新たな需要ニーズに、原子力という電源の持つ特性は合致することを踏まえ、必要な規模を持続的に活用する。」と、これまでの方針から大きく転換されました。。
このような中、今後ますます、原子力に携わる社会人や学生の皆さまの真摯な取り組みが求められることとなります。
当支部では、諸活動を通じて、会員の皆さまにこれからも交流の場の提供や情報発信に取り組んでまいりますので、皆さま方には引き続き、本学会活動へのご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
2025年5月27日
日本原子力学会 九州支部長 福井 敏洋